この記事のテーマは、アートな本です。
目で楽しむ美しい絵本やイラストブックなど5冊をまとめました。
ものがたりの家ー吉田誠治 美術設定集ー
夢と憧れが詰まった、空想の「家」美術設定集
物語の中に出てきそうな、33の「家」の設定画集。作者は数々のゲームの背景イラストを手掛けてきた吉田誠治さんです。
物語のワンシーンのような水彩画の美しい外観、そして家内の間取り図には、家主の生活がしっかりと馴染んでいることがわかる、あらゆる"設定"が描き込まれています。 加えて、ここでどんな人物がどのように生活を営んでいるのか、という説明書きも。
さて、この家と家主は、どんな物語の中に生きているのかしらん、というのは読み手の想像次第。わくわくが詰まった楽しい作品です。
えんとつ町のプペル
2016年に発売、大ヒットした絵本『えんとつ町のプペル』。ゴミから生まれたゴミ人間のプペルと、えんとつそうじ屋のルビッチ、ふたりの友情を描いた作品です。
表紙のイラスト一つとっても、細やかに描かれた建物群の立体感、煌びやかなネオンの美しさ は息を呑むほど。人々の生活が細部まで馴染み、眺めていると、町の喧騒や工場から響く重低音までが聞こえてくる気がするのです。
この圧倒的なクオリティの実現は、チーム制作だからこそ。タレントでもある西野亮廣さんが文章と監督を務め、33人のクリエイターが、イラスト担当、着色担当、デザイン担当…というように、分業して制作されたそうです。制作期間は実に4年半。一人一人のこだわりが随所に感じられるアーティスティックな絵本です。
満月珈琲店メニューブック
宇宙を体現!夢膨らむメニューブック
星空をサンドしたバターサンド。 朝焼けを閉じ込めたソーダ。 月のうさぎが捏ねた月見パン。猫のマスターが切り盛りする"満月珈琲店"でしか出会えないスペシャルなメニューのイラストブックです。
もともとは、イラストレーターの桜田千尋さんがウェブサイトに上げた作品。幻想的で美しいメニューの品々は多くの人を魅力し、コラボ小説や、メニューを完全再現したレシピ帖も出版されています。 宇宙を詰め込んだスイーツ、いったいどんな味がするんだろう?
東京ホテル図鑑
ホテル空間の魅力を美しいスケッチで解剖
東京近郊の素敵なホテルの水彩スケッチ集。著者はカラーコーディネーターとして建築のデザインに関わってきたプロの方だそうで、インテリアや小物といったホテルのこだわりに目を留め、寸法から素材まで細かに書き込まれたスケッチがずらりと並びます。
写真で見るより、そこでの滞在風景がグッと想像しやすくなるのは、仔細なスケッチの賜物でしょうか。
本自体のデザインも洗練され、水彩画の美しさが際立つ本です。
ぼく モグラ キツネ 馬