芥川賞2019前期 候補作(受賞作追記)

 

いよいよ、今期の芥川賞直木賞が発表されますね!

今回は、芥川賞の候補作を難易度順(★が少ないほど読みやすい)にご紹介します。

※受賞作追記しました。

 

【はじめに】芥川賞とは

正式名称は芥川龍之介賞。名前の通り、芥川龍之介を記念した賞です。

・新聞、雑誌に発表された純文学作品。

・無名もしくは新人の作家。

が対象になるようです。

過去の受賞者を見ると、井上靖さん、村上龍さんなど今や無名とはほど遠いお名前も。お笑い芸人の又吉直樹さんも「火花」で受賞しています。

注目度も高い賞ですから、候補にあがる、受賞するとなれば、作家さんにとっても大きな転機になるかもしれませんね。

 図書館でいち早く候補作を読む方法

芥川賞の候補作が発表されると、図書館でも続々と予約がかかっていきます。本によっては1年待ってもまだ回ってこない!ということも。

が、この予約をできる限り回避する方法があるのです。それは、

文芸誌で読む

芥川賞は文芸誌で発表され、少し時間をおいてから単行本化されたものがほとんど。とはいえ、図書館で予約がかかるのは単行本ばかりなんです。本になるにあたって加筆・修正される可能性もありますが、「とにかく早く読みたい!」という方には、文芸誌、ねらい目です。

(どの雑誌の何月号に掲載されたかは日本文学振興会芥川賞候補作のページで確認できますので、ぜひチェックしてください。)

【2019年前期候補作】

それではここから今期の候補作を紹介していきます!

 

 【★★☆☆☆】カム・ギャザー・ラウンド・ピープル 高山羽根子

 「雪虫を見たい」と祖母は言った。けれど、雪のつぶくらいの小さな虫がそこにいたとして、目の悪い祖母にはいないのと同じことーー。
次々に語られる過去。その一見何でもないかのような記憶の断片がつながる時、行き場のない痛みが見える。

読みやすいからこそテーマが明確に見えて、終盤はかなり辛い。

「痛い」と言えることだけが痛みではないし、「忘れたい」という気持ちと隣り合わせに持ち続ける怒りもある。

訴えかけるものの多い作品だと思います。

 

 【★★☆☆☆】むらさきのスカートの女 今村 夏子

 わたしの町にはいつもむらさきのスカートを穿いた女がいる。ちなみに彼女の家ならとっくの昔に調査済みだし、仕事の事情も知っている。いきなり声をかけるより、まずはちゃんと自己紹介をしたほうがいいだろう。自然に、例えば、同じ職場に勤める者同士として。つまり何が言いたいのかというと、わたしはむらさきのスカートの女と、友達になりたい。

ぽんと、「むらさきのスカートの女」と言われると、むらさきのスカートを穿いた奇妙な女の話かと思ってしまいますが、読み進めていくと段々にちぐはぐな感じが…。読み終わったあと、「一番奇妙だったのは、さて誰だったか?」と思わず首を捻ってしまいます。

淡々としつつ、どこかコミカルな作品。読みやすいので純文学に不慣れな方も手に取りやすいかと思います!

 

【★★★☆☆】百の夜は跳ねて 古市憲寿 

マンションのガラス清掃をしている最中、僕は不思議な部屋を見つけた。キャンドルに照らされ、積み上げられた異様な数の箱。そしてその部屋の住人である老婆からの驚くような依頼。

「あなたが清掃する部屋の写真を撮ってきてほしいーー」

テレビでコメンテーターとしても活躍している古市さん。

窓ガラスの清掃員がマンションの住人の生活を盗み見るというところに、私は昼ドラを見る時のようなドキドキを感じてしまったのですが、そんな下世話なお話ではありませんでした。

老婆との交流や主人公の抱えるもの、淡々と描かれているようで、読後には温かさが残る。ちらほら出てくる現代ならではの機器の名称も印象的で、時代性に富んだ小説です。

【★★★★☆】五つ数えれば三日月が 李 琴峰

 日本で就職した台湾人の私。
台湾で結婚し、移住した日本人の実桜。
久しぶりの再会の果てに、私はお互いが手に入れた自由と手放した自由を思う。 

  異郷の地での生活や同性愛といったテーマが盛り込まれた作品。李 琴峰さんは前作でもこのテーマを扱っているようですね。台湾の料理や文化がかなり丁寧に書かれていました。

個人的に、思わず共感というか、ハッとする一文に出会うことも多くて、心をまっさらにしてもう一度読み直したいなと思います。

【★★★★★】ラッコの家 古川真人

姪とその子どもたちに囲まれた賑やかな生活を送る傍ら、心は現在と過去が入り混じるタツコ婆。二人の姪との団らんの後、皆が寝静まった家で、一人、空想に侵されていく。

読みながら、「あれ、今現実かな、過去かな」と混乱することもしばしば。私は読み進めるのに苦労して、解説代わりに読んだ他の方の批評にかなり助けていただきました。不甲斐ない…。
前作のレビューなどを見ると、とても力のある作家さんだと総じて高評価。これからの活躍が楽しみな作家さんです。

 

いかがでしたか?

直木賞もあげたかったのですが、図書館ではすでに予約多数という状況ですし、お金もないしでこちらは諦めました。またどこかのタイミングで紹介したいなと思います。

 

追記 受賞作決定!

前期受賞作発表されました!

今村夏子さん むらさきのスカートの女

 

書評あげました ↓

chiko-yama.hatenablog.com

 

おめでとうございます!

 

それでは最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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