今回は、戦争に惑わされないためのヒントを探る本を3冊ご紹介します。
平和の時代を生きる私たちは、戦争とどう向き合うべきなのでしょうか?
ナチスに挑戦した少年たち
第二次世界大戦、デンマークはなすすべもなくドイツの占領下におかれました。他国でのドイツ軍による虐殺を尻目に、何も行動を起こさずにいる人々。そんな中、勇敢なイギリス人に触発され、自由を求めて奮い立った少年たちがありました。敵の車を破壊し、銃を盗む。彼らの小さな抵抗運動は、やがてデンマーク中の人々に伝染していきます。
大きな壁にぶつかり、終盤は少年たちも少しずつ意欲を無くしていくようにも見えます。また、武器もなく立ち向かう彼らの無鉄砲さは必ずしも成功するものではありません 。しかし、彼らの投じた一石がデンマークを導いたことは間違いなく、ひとつの勇気を明かした本としておすすめします。
日本のいちばん長い日
昭和20年8月15日正午、天皇の肉声による異例のラジオ放送が行われました。そこで伝えられたのは、長きにわたる日本の戦争の終結。これにより、日本は新しい時代への一歩を踏み出しました。
しかし、この背景には、「大日本帝国」の幕引きをめぐり、天皇をはじめとする様々な人間の葛藤、そして軍人が悲痛な信念で引き起こすクーデターの影があったのです。著者の綿密な取材に基づく「終戦」の舞台裏。
日本のいちばん長い一日を明かしたノンフィクションです。
知らなかった ぼくらの戦争
アメリカ人の著者から日本の戦争体験者へ、日米の垣根を越えたインタビュー。そして見えてくる、「戦争とはいったいなんのなのか?」。
知らず毒ガス島で働かされていた女性、戦時中の沖縄、唯一残った駆逐艦「雪風」の真実、それぞれの八月十五日。
著者のアーサー・ビナードさんは、それらを自らがアメリカで学んできた歴史と照らし合わせ、私たちの知らない戦争の姿を著します。日本だけ、アメリカだけが戦争に向き合えばいいのではない。そしてアーサーさんが最後に提示するのは「戦後をつくっていく」ということ。
戦争のない時代をこれからも繋いでいくためのヒントを探る一冊です。
まとめ
今回は現代に戦争を伝える本をご紹介しました。
原爆のおぞましさ、決死の覚悟で臨む戦場。
戦争の時代に生きた人たちが少なくなっている今となっては、せめてでもこうして、本を次代に繋いでいくことが一つの役目なのかなと思います。
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