ノスタルジックで繊細な画風で、子どもだけでなく大人にも人気のある絵本作家・酒井駒子さん。
カバーイラストも数多く担当されているので、絵本に縁のない方もどこかで酒井さんの絵を見かけたことがあるかもしれません。
今回は私も大好きな酒井駒子さんの魅力をご紹介します。
酒井駒子さんプロフィール
兵庫県生まれの酒井駒子さんが絵本作家を夢見るようになったのは、子どもこのころに読んだ絵本の影響なのだそうです。
近所の絵画教室に通ったり、学校の部活では美術部を選択するなど、ずっと絵に関わってきたようですね。そして高校を卒業して上京し、東京芸術大学の美術学部油絵科へ。
ところが、大学では絵よりもお芝居に興味が向いていたそうで、大学を卒業後も一年ほど役者をしていたのだとか。意外な経歴です。
そこから一転、今度はデザイナーのお仕事を経験。
その後、お仕事をしながら描いた絵本作品で講談社絵本新人賞の佳作を受賞されます。
そして1998年、『リコちゃんのおうち』でとうとう作家デビューへ。
そこからの活躍は、『きつねのかみさま』で日本絵本賞、『くまとやまねこ』で講談社出版文化賞。
海外でも『金曜日の砂糖ちゃん』『ぼく おかあさんのこと…』などが高く評価されていて、今では国内外で多くのファンに愛される絵本作家となったのです。
子どもの愛らしさが最大の魅力!
酒井駒子さんの絵は、こども向けの絵本には珍しく、淡い色合いと細い線を幾重にも重ねて描いた柔らかさが特徴的。
『よるくま』での黒を下地にした大胆さも印象深いですね。
酒井さんの絵本で主に描かれるのは外国の子どもたち。儚い表情を浮かべる反面、仕草や立ち居振る舞いの子どもらしい愛らしさは最大の魅力。
ページを繰りながら、思わずほうっと見入ってしまう酒井さんの絵本は、子どもへの読み聞かせだけでなく、一息つきたい大人の読書にもオススメ。
1ページ1ページ、じっくり味わいながら読みたいですね。
よりすぐり!「可愛い」が止まらない3作品
酒井駒子さんの作品の中でも、特に子どもたちの愛くるしさが詰まった3冊をご紹介します。きっとあなたも「可愛い…」と心を掴まれること間違いなし。
こりゃまてまて
0歳から読める、赤ちゃん向け絵本。
まだ歩く足元もおぼつかない赤ちゃんが、お散歩中に次々出会う生きものたちを、「こりゃ まてまて」と夢中になって追いかけます。ちょうちょやトカゲ、ハトにネコ。そして最後に「こりゃ まてまて」とつかまってしまったのは…?
興味津々で近寄るも、ことごとく逃げられてしまう赤ちゃん。可愛い…。
ふと目を離したすきに、気になったもの一直線によちよちとはぐれていく様子に、パパやママは思わず苦笑いしちゃうかも。
ロンパーちゃんとふうせん
街に出かけたロンパーちゃんは、お店で黄色いふうせんをもらいます。飛んでいかないよう指にくくってもらって大事におうちに持って帰り、ロンパーちゃんはお気に入りのふうせんとおままごとやお花のかんむりを作って遊びます。ところがビュウっと風がふき、ロンパーちゃんのふうせんは飛んでいって木の枝にからまってしまい…。
ふうせんをもらって大喜びのロンパーちゃん、お母さんに一大事を訴えるロンパーちゃん、お母さんの手元に興味津々のロンパーちゃん…。
どの場面も「可愛い」が溢れて止まりません。酒井駒子さんに興味を持ったら、ぜひおさえておきたい一冊です。
はんなちゃんがめをさましたら
夜中に目を覚ましたはんなちゃん。おとうさんもおかあさんもおねえちゃんも、まだみんな眠りの中。はんなちゃんはネコのチロを連れ、台所に忍び込んでおやつを食べたり、おねえちゃんのお人形やお絵描き道具をかりてふとんの中であそんだり…。
ひとりきりの夜を満喫する小さなはんなちゃんがとっても可愛らしいのです。朝になったらきっとおねえちゃんに怒られちゃうんだろうなあ、と思うといたずらっ子のはんなちゃん、それもまた可愛いなあ~。
まとめ
いかがでしたか?
私は仕事の用事で「おやすみ絵本」を探していたときに「はんなちゃん」に出会い、階段をおりるはんなちゃんの、ちょっとおなかを突き出したたたずまいに「か、可愛い…」と心を掴まれて、酒井駒子さんの大ファンになりました。
本当に酒井さんの絵は、赤ちゃんのおなかがいいんですよ!おなかが!
みなさんもぜひ、酒井さんの描く可愛い子どもたちに癒されてくださいね!
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