幅広いジャンルで活躍し、ウィキペディアによると、郷愁を誘う情景描写に巧みなことから「ノスタルジアの魔術師」とも呼ばれる恩田陸さん。(異名、格好よすぎません?笑)
今回はそんな恩田陸さんをご紹介していきます!
恩田陸さんプロフィール
青森県青森市生まれの恩田陸さんですが、子ども時代は愛知や長野、秋田など、各地を転々とされていたようです。
公式のプロフィールでは実家のある宮城県出身とされていることが多いみたいですね。
子ども時代から本を読むことが好きで、現在でも年間約300冊の本を読んでいるそうです。す、すごい・・・。
創作を本格的に始められたのは、大学卒業後だといいます。
大学を出て、恩田さんは大手の生命保険会社に就職します。
この頃に、酒見賢一さんの著作に影響を受けて、会社員として働きながら作家活動を開始したのだとか。
大変忙しかったそうで、身体を壊し、会社は4年ほどで退社しました。
その後に『六番目の小夜子 』を書き上げ、日本ファンタジーノベル大賞に応募したところ、最終候補作となり出版。
作家としてデビューします。
しかし、デビューしたては収入が安定しないこともあり、不動産会社の営業事務に再就職し、しばらくは会社員のほうを主にして兼業作家を続けられていたそうです。
30歳を過ぎたころ、編集者のすすめで会社をやめてプロ作家へ。
作家になってからの活躍は以下の受賞歴でも分かる通り。
『夜のピクニック 』で、第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞。
『ユージニア 』で、第59回日本推理作家協会賞。
『中庭の出来事』で、第20回山本周五郎賞。
『蜜蜂と遠雷』で、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞。
ちなみに『蜜蜂と遠雷』で達成した直木賞と本屋大賞のダブル受賞と、同作家による2度目の本屋大賞受賞は史上初!
どんなジャンルでも徹底的に仕上げる、オールマイティーに活躍する作家さんになりました。
「魔術師」の魔術を探ってみる
ジャンルを問わず活躍する恩田陸さん。
執筆の背景をちょっと探ってみました!
本を読むことと書くことは、本当は同じことと語る恩田さん。本を読んで「こんな話を書きたい」と意欲を掻き立てられ、執筆に臨むそうです。
読んだ本をオマージュされている著作も数多く。
そのため読書の時間を大事にされていて、あんまりに本を読まずにいると具合が悪くなっちゃうんだとか・・・。
取材も大事にされているそうです。
海外の取材のために飛行機恐怖症も克服したそうで・・・。
『蜜蜂と遠雷』についても構想が出来上がったのは刊行の12年前。
それから4度実際にピアノコンクールに足を運び、最初から最後までひたすら演奏を聴いた経験を生かして書き上げました。登場人物の曲順を決定するのに、CDもたくさん聴かれたそうです。
この手を抜かない真摯な姿勢が、数々の名作を生んでいるわけなんですね。
ちなみに構想が浮かびやすいのは電車に乗って景色を眺めているとき。これがノスタルジアの原点かも?
恩田陸さん おすすめ本3選
ここからは恩田陸さんのおすすめ作品をご紹介していきます!
光の帝国 常野物語
"常野"の人々にはそれぞれ不思議な力がある。
過剰な寿命や記憶力、近い未来を予知する力。
彼らは何を企むわけでもない。
権力を持たず、移住した土地に溶け込んで、ただ、穏やかに暮らしている。
――帰る時を待ちながら。
特殊能力を持つ人々が登場しますが、目立ったバトルがあるわけではなく、自分たちの能力をひた隠し、ひっそりと生きている姿を描いています。
「常野物語」は「常野物語シリーズ」として3冊刊行されています。
3冊とも独立したお話になっていますが、個人的には刊行順に読むのが一番世界観が分かりやすいのでオススメ。
気に入ったら、ぜひ他の2冊も読んでみてくださいね!
常野物語シリーズ
夜のピクニック
朝八時から翌朝の八時まで歩くというイベント「歩行祭」。
高校生活最後のこの行事に、貴子は秘密の賭けを実行する・・・。
恩田陸さんの作品の中でも、評価の高い青春小説。
ドラマチックなことは何も起こらず、ただ高校生たちが歩くだけ。でもその間に、学校の思い出や将来のことを友人たちと語り合う。
学生時代、放課後なんかに友人とふと真面目な話を語り合ったことありませんか?ずっと秘密にしてきたことを思わず打ち明けたり。
そんな本です。
青春時代の、ほんのひと時の特別な時間。
爽やかな読後感を味わえる本です。
蜜蜂と遠雷
新しい才能の発掘の場として近年注目を集める芳ヶ江国際ピアノコンクール。
母の死後、表舞台を去った天才少女。
誰もが才能を認めるジュリアードの隠し玉。
家族を持つ、ごく普通のサラリーマン。
そのほか、世界中から多くのピアニストが参加し、技術を競い合う。
そんな中、審査員の口に上るのは「蜜蜂王子」の噂。
養蜂家の息子で学歴もコンクール歴もない未知の少年が、著名な音楽家の推薦状を携えて参戦するという。
波乱のコンクールが幕を開けたーー。
ピアノの世界のことを何も知らない私でも、最初の章から引き込まれてしまいました。
登場人物全員が魅力的です。
恩田陸さんは子供の時にピアノを習い、大学時代にはアルト・サックスを演奏していたそうですが、「蜜蜂と遠雷」の執筆にはそんな経験も生かされているのでしょうか。
直木賞受賞など世間的にも評価された本、ぜひご一読ください。
【スピンオフ小説】
まとめ
いかがでしたか?
ベテランの域に達しても衰えず読者を楽しませてくれる恩田陸さん。
これからの活躍も楽しみですね!
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