今回は少年たちを主人公に、心の成長を描いた本を3冊ご紹介します!
僕には世界がふたつある
誰かの気配に怯えながら学校に通う世界。
おんぼろ船に乗り、世界一深い海淵を目指す世界。
2つの世界を行き来するうち、それらは一つに入り混じる…。この不安定な航海の行方は。
学校に通うリアリティのある世界と、ファンタジーのように奇妙な世界。
これが交互に語られ、読み初めは少し混乱するかも。
しかし中盤以降、世界が結びつくことでケイダンが挑むのがどんな"航海"なのかが明らかに。
15歳の少年はこの航海を無事に終えられるのか?
本書を開き、ケイダンの成長を見守ってあげてください。
アーモンド
そんな僕の前にもう一人の"怪物"が現れた…。
昨年の本屋大賞・翻訳本部門で堂々1位に選ばれた小説。
淡々とした語りには、感情が希薄な僕"の世界が垣間見えます。
感情は、人間は、白か黒かで決められない。 これは悲劇か?喜劇か?
少年は世界をのみこむ
読み始めから、イーライは危うさを抱えた少年です。
イーライの母はドラッグに依存し、麻薬密売人が父親代わり。さらに親友は元脱獄犯。
しかし、"悪"の面を持つ父も母もイーライには惜しみなく愛情を注ぐ"善良"な親で、歪ではあるけれども絶望的ではありません。
しかし、突如として家族は、本当の邪悪に蝕まれることになります。
テーマは、家族、恋愛、少年の成長、青春、それとも冒険……色々と当てはまりそうですが、ちょっとの"不思議"が、このお話の下地。
鍵になるのがイーライの兄オーガストです。
喋ることをやめ、代わりに指で空中に文字を描く風変わりな少年。
彼の存在が、悲劇的なこの話を、あるいはイーライの人生を彩っていると思います。
イーライの悲しみと冒険、不思議の果てはどんな世界なのか。
10年に1度の超大作と銘打たれた作品、読めばきっと心揺さぶられるはず。
まとめ
いかがでしたか?
個人的に少年少女の成長を綴った翻訳小説、すごく好きなんですよね。笑
今回の3冊はどっしりとした気持ちで読んでいただきたいです!
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【一行でわかる名著】 #読了
— ちこやま (@chiko_yama398) 2021年5月13日
一行読めば名著が分かる…ではなく、名作の中の名文を読み解く本でした。
ゲーテ、プルースト、ヘミングウェイなど。
作者こだわりの一文は解釈も広がって面白い。作品を読めばまた違う意味が見えてくるかも。
紹介された作品も読みたい。https://t.co/Mpr7CCV6Bz
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