4月も二週目。
すっかり春めいてきましたね。
今回は「春」をテーマに、3冊の本をご紹介していきます。
有無を言わせぬ春の訪れ
屈折した大人たちとの関係に傷つきながらも、自分のための道を歩もうとする姿を描いた、堀川祥子モイネヘンさんによる純文学作品。
後記に堀川さんが作品に込めたメッセージを綴られており、そちらも合わせて読むことでストーリーを補完できたように思います。
トラウマを自分の力で癒すことは、何度悲しみ、苦しみにぶつかることでしょうか。
その痛みにも耐え、自分の幸せの道を行く。
人々の心模様を歯牙にも掛けず訪れる春が連れてくるものは、温かさか憂いか。
堀川祥子モイネヘン:米国ヴァージニア州在住の翻訳家・作家。
桜
"桜"にまつわる怪奇小説を集めた傑作選。
幻想小説の先駆者といわれる泉鏡花の「桜心中」を筆頭に、梶井基次郎、坂口安吾などの名だたる文豪たちや、ホラー界でお馴染み、森真沙子さん、加門七海さんらの怪奇短編、計17作を収録。
怖いお話だけでなく、不思議で幻想的なものも多かったですね。
著者の時代が全く違うのでバラエティ豊か。
しかしトップバッターの泉鏡花に関しては、文体がかなり古めかしく、読むのにとても苦労しました…。
私と同じくつまずいた方は、他の作品から読みましょう!
春は馬車に乗って
こちらは文豪の名作を人気イラストレーターの絵とともに楽しむ「乙女の本棚」というシリーズの中の一冊です。
病で床に臥せる妻と、それを看病する夫を描いた横光利一 の『春は馬車に乗って』。
この名作とコラボしたのは、様々なカバーイラストも手掛けるイラストレーター・いとうあつきさんです。
『春は馬車に乗って』は、夫婦の愛の修羅場を綴ったお話とのことですが、刺々しい言動の端々にも二人がお互いを必要としていることが感じられ、全体的に物悲しい雰囲気が漂います。
秋、冬を越え、夫婦に訪れた春。
夫婦の心の機微を、美しく艶やかなイラストで描き出した作品です。
横光 利一:大正から昭和にかけて活躍した作家。新感覚派として活躍する。代表作に『日輪』『蠅』など。
いとうあつき:都内在住のイラストレーター。『26文字のラブレター』をはじめ、様々なカバーイラストを手掛ける。
まとめ
いかがでしたか?
3月は気温の高低が激しかったですね。
暖かくなったと思ったら雪が降ったり、「春、今年もちゃんと来るのかな…」という不安もありましたが杞憂でした。
良い季節なので、色々と足を伸ばしたいな。
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【純喫茶とあまいもの|難波 里奈】 #読了
— ちこやま (@chiko_yama398) 2022年3月24日
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