原発事故がもたらしたもの。原発にまつわる本4選

 

今回のテーマは原発です。

2011年の事故以降、始末に追われる福島原発。また、ロシアの侵攻でたびたび話題に上がるようになったチェルノブイリ原発

改めて原発の役割と、原発事故を考えるための4冊の本を紹介していきます。

 

 

 

原発事故と放射能 
山口 幸夫

 

 

福島の原発事故が起きた翌年、2012年に出版された新書です。

主には福島の事故を取り上げており、原発のしくみに触れながら、福島やチェルノブイリの事故がどのようにして起きたのかを解説しています。

また、放射能の発見から世界がそれをどのように利用してきたのか、被曝するとはどういうことか、という歴史や危険性についても記されています。

科学的な話は、不勉強な私には複雑に感じる部分もあり、インターネットで調べた情報と照らし合わせながらの読書になりました。

しかし、事故がどのように起きたのかを知ることで、自ずと欠陥や危険性が理解できたように思います。

11年の月日で記述とは変化したところもありますが、原発問題に取り組む初手として最適な本です。

著者データ
山口 幸夫:物性物理学専攻、工学博士。原子力資料情報室共同代表。共著書に『まるで原発などないかのように』『原発を終わらせる』など。

 

原発事故で、生きものたちに何がおこったか 
永幡 嘉之

 

 

2015年刊行、自然写真家の永幡嘉之さんによる写真絵本です。

原発事故により人のいなくなった福島の町。
動物、昆虫、植物。
人と共存してきた生きものたちにはどんな変化があったのでしょうか。

ニュースでもたびたび取り上げられた、人がいなくなった市街地に出没する野生動物や、人の手が入らなくなった田んぼには植物が繁茂する。
それによって、今までそこで生きていた生きものたちが住むことが出来なくなってしまったのです。

放射能による影響も、すぐには見えないとしても、これから現れるのかもしれません。

長い時間をかけて築いてきた土地の風景がわずか数年で一変してしまう様は、物哀しいものがあります。

著者データ
永幡 嘉之:自然写真家。東日本大震災以降、津波跡の動植物調査や原発事故後の生きものの調査を続けている。

 

ふくしま原発作業員日誌  
片山夏子

 

 

2020年刊行、東京新聞記者の片山夏子さんによる、9年におよ福島原発作業員たちへの取材から生まれたルポルタージュ。2011年から東京新聞に連載した「ふくしま作業員日誌」を加筆修正し、まとめたものです。

事故以降、福島原発で作業をしている人の多くは、「自分も力になりたい」という意思を持って全国各地から福島へ駆けつけました。しかし、現場は混沌とし、作業は粗末なもの。酷使される作業員たちの悲痛な声が、この本には詰まっています。

福島原発事故はまだ終わっていない、まだ戦っている人たちがいることを忘れてはいけないと、強く訴える一冊です。

著者データ
片山夏子:東京新聞記者。連載「ふくしま作業員日誌」で、むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞大賞受賞。

 

チェルノブイリの祈り 
スベトラーナ・アレクシエービッチ

 

 

ウクライナ北部にあるチェルノブイリ原子力発電所
1986年4月26日、この原発で大規模な爆発が起こりました。

福島の事故の何倍にも及ぶ放射性物質が放出され、原発の職員や、鎮火にあたった消防士が被曝、死亡。

科学技術がもたらした最悪の事故とまで言われます。

それにもかかわらず、国は事故の影響を隠蔽し、多くの人が放射線を浴びてしまったのです。


この本は、チェルノブイリ原発事故からおよそ10年後に出版されました。

著者のスベトラーナ・アレクシエービッチさんは、科学者、元官僚、兵士などさまざまな人を訪ね、当時の彼らに起きたことや思いを語ってもらい、記録しています。

何を信じるか、誰を信じるかという葛藤、愛する人の死、蔑まれ孤立する悲しみ…。

受けた傷は十人十色の痛みだから、著者はただひたすらに人々の声を集めたのかな。

著者データ
スベトラーナ・アレクシエービッチ:ウクライナ出身のジャーナリスト。2015年ノーベル文学賞受賞。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

今回の本を読んで、気にかけているようで知らなかったことがとても多く、もっと関心を持たないといけないな、と反省しました。

また、原発推進派の意見も聞いてみたいなと思いました。

二度と同じことが起きないように、私ができることは何だろう?

 

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最後までお読みいただきありがとうございました!

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