この記事では、7・8月に発売された新刊の中から3冊の本を紹介していきます。
優等生サバイバル
ファン・ヨンミ
名門として知られる進学校にトップの成績で入学したジュノ。しかし、テストのたびに順位は下がり、成績重視の学校生活に不安は募るばかり。このハードな青春を生き抜く法則は?
青春は、待ってくれない
高校生を主人公にした、韓国の青春小説。
韓国の大学受験は相当厳しいものだそうです。この本の中でも、ジュノの同級生たちは家庭教師を雇ったり塾に通うのは当たり前。さらに成績上位の生徒だけが使える自習室や、お金を払って利用するスタディールームという勉強スペースが登場し、韓国の学生のハードな勉学事情がうかがえます。
しかし、勉強、勉強、ばかりじゃないのが高校生。恋に友情に将来に。主人公ジュノの悩みは尽きません。
作者のファン・ヨンミさんは、ご自身が思う"優等生"とは 「誠実に自分の未来を準備する生徒」だと言います。 遊ぶ間を惜しんできりきりと勉強に励む同級生たちの中で、焦りと不安を覚えるジュノ。それでも、仲間とともに青春を生き抜く姿は、国は違えどきっと多くの人の共感を呼ぶでしょう。
ホモサピのいきもの調査報告書
ホモサピ
世界の見え方が変わる、いきもの図鑑
「カメムシのにおいのもとを水で割った"特濃カメムシ汁"とレモン汁を混ぜて(コーラの匂いになるらしい)飲んだ(不味いらしい)」
目を疑うエピソードから始まるこの本は、生きものを採ったり食べたりする動画を上げている、いきもの系YouTuberホモサピさんが、これまでに体験した生きものにまつわる面白いお話を紹介したもの。「虫」「水辺」「植物」の3つのカテゴリーに分けてまとめています。
クモの糸で魚がつれた。天然のアサリは砂利にいる。 マツの葉で炭酸水ができた。……
エピソードだけでなく、専門家の先生が「どうしてそうなるのか」というしくみを説明してくれているので、学びにも繋がるでしょう。 「セミを食べた」「オタマジャクシを食べた」 などの話にドキドキさせられますが…。
ネバーブルーの伝説
日向 理恵子
アスタリット星国の写本士は、戦争や災害に見舞われた国々から書物を救出し、後世に残すという役目がある。しかし、メイトロン龍国を訪れたコボルたちは、残酷な真実を知る…。
本で国を変える、誇りをかけた冒険
アニメ化などで話題を集めた『火狩りの王』の作者、日向理恵子さんの新作ファンタジーです。
舞台になるのはアスタリット星国と龍の伝説が残るメイトロン龍国という2つの架空の国。写本士見習いのコボルを主人公に、「それで書いた文字は失われることはない」というネバーブルーインクを探す冒険が繰り広げられます。
旅をする中で育まれる友情や龍とネバーブルーインクの伝説。ワクワクする冒険ストーリーであると同時に、この作品は国が犯した大きな間違いに立ち向かう、信念と勇気のお話でもあります。"文化を後の時代に繋ぐ"という誇りを胸に挑む、写本士たちの戦い。