話の中の名探偵 ー明智小五郎ー



難解な事件を解決に導く名探偵。

文学界には古典ミステリから現代にいたるまで、たくさんの名探偵が存在しますよね。

そんな数多くの探偵を一人ずつピックアップして、ブログでもご紹介していきたいと思います。

題して「話の中の名探偵」

今回は日本屈指の名探偵・明智小五郎に迫ってみたいと思います。

 

(*ネタバレがありますので、未読の方はご注意ください!) 

 

 

日本を代表する名探偵!明智小五郎

 

まずは簡単にプロフィールを見ていきます。

シリーズの中で20代から50代へと年を重ねていく明智ですが、一貫しているのが「もじゃもじゃ髪」の頭。瘦身で長身であり、足も長いという・・・まあ羨ましいですね。

明晰な頭脳に加えて柔道にも長けており、犯人との対決時に華麗に披露(?)することも。

 

日本を代表すると言っても過言ではない明智小五郎ですが、デビュー作では明言はされていないものの、探偵業に就いている風ではありません。

語り手の「私」によるところの明智は『二十五歳を超していない』青年で『いかにも変わり者で頭が良さそう』。
また、当時の明智はたばこ屋の二階に間借りしており、四畳半の部屋には少し畳が見えるだけであとは本の山、ほかのものは何もない、というかなり風変わりな生活をしていたようです。

 

さて、時は経ち、探偵として名声を集め始めた明智

この頃には捜査の過程で腹話術、射撃、ヘリコプターの操縦など多岐にわたる才能を発揮。果たしてこの人にはできないことがあるのでしょうか。

もう一つ特筆しておきたいのが、既婚者という点。私はてっきり独身だと思っていたのですが、作中で出会った女性と結婚しており、さらに助手の小林くんを迎えて、三人暮らしをしています。

超人のような明智ですが、小林君との交流などには温和で家庭的な一面を垣間見ることが出来ます。

 

シリーズに華を添える、魅惑のサブキャラクター陣

 

名探偵の周りも魅力的なキャラクターがいっぱい!ということで、 ここからは明智小五郎の周囲にも目を向けたいと思います。

 

少年探偵団

明智の助手 兼 弟子の小林少年を団長とする子どもたちだけの探偵団。怪人二十面相』事件時に発足。

メンバーは主に4~6年生の小学生で、当初は男の子ばかりでしたが、途中から女の子も加入しています。

「少年」と「探偵」に相当する英語の頭文字をとったBとDを模様のように組み合わせた徽章『BDバッジ』が団員の証。

呼笛、縄梯子など七つ道具を用いて犯人の追跡や捕縛の手伝いを務め、子どもながら明智にとっては心強い味方です。

 

怪人二十面相

明智ライバルと言えば、変装の達人・怪人二十面相若者から老人まで巧みに化け、美術品の類を華麗に盗んでいく怪盗です。

頭もなかなか働くと見えて、明智をも唸らせる因縁の相手。

血が嫌いと言う性格から荒事は避ける方向にあり、敵味方関係なく無闇に傷つけることはしません。・・・と言いつつ、小林少年を幼子共々水に沈める(ように見せかけた)など、案外恐ろしい目にも合わせています。

シリーズを通しても謎の多い、どこか憎めないキャラクター。

 

おすすめエピソード

 

 明智の関わる事件には、グロテスクで気味の悪いものも多いですが、今回は初心者もとっかかりやすく、その上で明智小五郎の魅力が詰まったエピソードを3つご紹介します!

 

1. D坂の殺人事件

 

 

 古本屋の細君の絞殺体が発見された。
食い違う目撃者の証言と密室。

主人公の"私"は、数々の証拠からある人物に疑いの目を向けた・・・。

明智小五郎初登場作。
この作中での明智について、主人公の"私"が「二十五歳にもみたない、仕事をもたない遊民だろう」と話していることから、明智が探偵業につく前のエピソードと思われます。

江戸川乱歩の頭には、この時すでに、以降の明智探偵の活躍が思い描かれていたのでしょうか。

 

 

2. 怪人二十面相

 

 

東京中の人々が恐怖する、神出鬼没の怪人二十面相
変装の達人である彼は、老若男女何者にも姿を変え、魔法使いの如く華麗に品物を盗んでいくという。

怪人の犯行を止められるとするなら、名探偵の明智小五郎ただ一人。謎とトリックが散りばめられた天才同士の闘いの行方は…?


明智のライバル的な存在、二十面相の初登場作。さらに小林を筆頭とする"少年探偵団"もこのエピソードの中で結成されました。

 

 

3. 少年探偵団

 

 

幼い女の子を標的にした誘拐事件はあまりに奇妙であり、犯人は魔物であるとの噂が立つ。
不在の明智に変わり、相談を受けた小林少年が一策を講じるも、事件は思ってもみない展開へ…。

タイトル通り少年探偵団が活躍する、と思いきや、やはり最後は明智小五郎が華麗に掻っ攫っていく。笑

少年探偵団の活躍を収めた、その名も「少年探偵団シリーズ」は、江戸川乱歩が子ども向けに創作したこともあり、気軽に読むことができます。

 

まとめ

 

ということで、今回は江戸川乱歩の生んだ名探偵、明智小五郎を取り上げてみました。

 なかなか気味の悪い話が多くて、本を手に取るときはおっかなびっくりという感じですが、朗らかな明智探偵は親しみやすいキャラクター。

ドラマ化やアニメ化などもされているので、気になったところから手を付けてみてください!

 

参考図書 

 

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