年の差フレンズ!世代を超えた友情の本4選

 

 

年が離れた友人のことを、ちまたでは年の差フレンズと言うそうです。

今回はそんな、年の離れた友人同士のお話を4冊ご紹介します!

 

 

メタモルフォーゼの縁側 
鶴谷 香央理

 

 

あらすじ

75歳の雪が書店で何気なく手に取ったのは、男の子同士の恋愛を描いたBL漫画。続きを買い求めるうち、書店でアルバイトをする女子高生うららと意気投合し、世代の違う2人の交流が始まる…。

 
ひとりじゃ見えなかった、二人だから見つけられた。
 

BL漫画に老婦人がハマるという思いもよらない(と言っては年齢差別でしょうが)展開、さらに、その漫画をきっかけに老婦人と高校生の間に友情が芽生える…という意外性の連続のようなストーリーの漫画作品。

寂しさを感じていた2人が出会い、同じ趣味を共有し、時に一喜一憂しながら"相方"のような関係を築いていく様子がとても微笑ましいのです。

作品の経歴としては、「このマンガがすごい!2019」オンナ編第1位に選ばれるなど絶大な支持を集め、2022年には宮本信子さん、芦田愛菜さん主演で実写映画化もされています。 

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著者データ鶴谷香央理 :2007年「おおきな台所」でデビュー。同作はちばてつや賞準大賞を受賞した。初の単行本となった『メタモルフォーゼの縁側』は「このマンガがすごい!2019 オンナ編第1位」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門新人賞」などを受賞。その他の単行本に『don’t like this』『レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015』など。

 

 

レニーとマーゴで100歳 
マリアンヌ・クローニン

 

 

あらすじ

終末期医療を受ける17歳の少女レニーは、アートセラピーで83歳のマーゴと知り合う。2人は合わせて100年の人生を100枚の絵に残すことにし、1枚の絵を描くごとに人生の1コマを語り合う…。

 
100年の時間を共にする少女と老婦
 

17歳と83歳。合わせて100歳のレニーとマーゴは、自分たちの人生について、1年につき1枚の絵を描くことにします。100年分、100枚の絵を。

黄色い帽子をかぶせられた赤ちゃん、両親と迎えた初めての誕生日、テーブルに載った料理の皿、ドライフラワーの小さな花束。どれもが2人の人生の大切な瞬間を切り取ったもの。

絵が出来るたび、2人はその時の思い出を相手に語って聞かせます。出会い、別れ、悲しみ、喜び。自分の人生を見つめ直す、という大層なことではなく、レニーにとっては少なすぎた人生の埋め合わせに近いかもしれません。 しかし、孤独の中にあった思い出を描き、共有することで、辛い思い出すら赦され、仄かにでも光っていくように感じられます。

2人の過ごした100年間の絵がずらりと壁に並ぶ様は、きっと壮観でしょう。

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著者データマリアンヌ・クローニン:ウェスト・ミッドランズ在住の作家。執筆の傍ら即興演劇に出演している。デビュー作の『レニーとマーゴで100歳』は20か国語以上に翻訳され、ハリウッドで長編映画化予定。

 

 

夏の庭―The Friends― 
湯本香樹実

 

 

あらすじ

「ひとり暮らしの老人がとつぜん死んだらどうなるか」ふとした疑問から、六年生の木山、山下、河辺は、近所に住むおじいさんの見張りを始める。遠くから見ているだけの「観察」はやがて、三人の思いもよらなかった交流へと変わっていく…。

 
夏休み、少年たちが求めるものは…死体!?
 

「死体を見たい」という子どもだからこその素直さ。映画にもなったスティーヴン・キングの『スタンド・バイ・ミー』と通じるところがありますね。

面白がっているようで、三人の子どもたちには死ぬことへの恐怖も感じられます。おじいさんとのかかわりの中で、死ぬこと、そして生きている今のことに、三人それぞれが向き合っていく。ひと夏の出会いと成長と、優しさの詰まった一冊です。

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著者データ湯本香樹実:『夏の庭 ―The Friends―』で日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞を受賞。10カ国以上で翻訳され、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ミルドレッド・バチェルダー賞などを受賞した。他の小説に『ポプラの秋』『岸辺の旅』『橋の上で』など。

 

 

タフィー 
サラ・クロッサン

 

 

あらすじ

アリソンは暴力を振るう父親から逃れるため家を飛び出し、古い家に転がり込む。家主のマーラはアリソンを友人のタフィーと思い込んでいるようで…。

 
傷を負った少女と認知症の老女の思いがけない同居
 

アリソンにとっては渡りに船で始まった同居。しかし、突拍子もない行動のせいで疎まれるマーラの姿にアリソンは自分を重ね、二人の距離は徐々に縮まってゆきます。またマーラは、父親に虐げられ、「自分はダメなんだ」と思い込むアリソンに一番大切なことを教えてくれます。それは「そのままのあなたでいい」ということ。

この物語は詩で綴られており、文字は少ないものの、余白や列を飛び出した文字が印象的で、言葉にできないアリソンの思いを想像させます。痛みや悲しみ、喜び。心の揺らぎをまざまざと感じる作品です。

 
著者データサラ・クロッサン:イルランド出身の作家。ケンブリッジ大学で英語講師を務めたのち、『The Weight of Water』でデビュー。『わたしの全てのわたしたち』でカーネギー賞を受賞している。

 

 

 

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