年が離れた友人のことを、ちまたでは年の差フレンズと言うそうです。
今回はそんな、年の離れた友人同士のお話を4冊ご紹介します!
メタモルフォーゼの縁側
鶴谷 香央理
75歳の雪が書店で何気なく手に取ったのは、男の子同士の恋愛を描いたBL漫画。続きを買い求めるうち、書店でアルバイトをする女子高生うららと意気投合し、世代の違う2人の交流が始まる…。
BL漫画に老婦人がハマるという思いもよらない(と言っては年齢
寂しさを感じていた2人が出会い、同じ趣味を共有し、時に一喜一
作品の経歴としては、「このマンガがすごい!2019」オンナ編
レニーとマーゴで100歳
マリアンヌ・クローニン
終末期医療を受ける17歳の少女レニーは、アートセラピーで83歳のマーゴと知り合う。2人は合わせて100年の人生を100枚の絵に残すことにし、1枚の絵を描くごとに人生の1コマを語り合う…。
17歳と83歳。合わせて100歳のレニーとマーゴは、自分たちの人生について、1年につき1枚の絵を描くことにします。100年分、100枚の絵を。
黄色い帽子をかぶせられた赤ちゃん、両親と迎えた初めての誕生日、テーブルに載った料理の皿、ドライフラワーの小さな花束。どれもが2人の人生の大切な瞬間を切り取ったもの。
絵が出来るたび、2人はその時の思い出を相手に語って聞かせます。出会い、別れ、悲しみ、喜び。自分の人生を見つめ直す、という大層なことではなく、レニーにとっては少なすぎた人生の埋め合わせに近いかもしれません。 しかし、孤独の中にあった思い出を描き、共有することで、辛い思い出すら赦され、仄かにでも光っていくように感じられます。
2人の過ごした100年間の絵がずらりと壁に並ぶ様は、きっと壮観でしょう。
夏の庭―The Friends―
湯本香樹実
「ひとり暮らしの老人がとつぜん死んだらどうなるか」ふとした疑問から、六年生の木山、山下、河辺は、近所に住むおじいさんの見張りを始める。遠くから見ているだけの「観察」はやがて、三人の思いもよらなかった交流へと変わっていく…。
「死体を見たい」という子どもだからこその素直さ。映画にもなったスティーヴン・キングの『スタンド・バイ・ミー』と通じるところがありますね。
面白がっているようで、三人の子どもたちには死ぬことへの恐怖も感じられます。おじいさんとのかかわりの中で、死ぬこと、そして生きている今のことに、三人それぞれが向き合っていく。ひと夏の出会いと成長と、優しさの詰まった一冊です。
タフィー
サラ・クロッサン
アリソンは暴力を振るう父親から逃れるため家を飛び出し、古い家に転がり込む。家主のマーラはアリソンを友人のタフィーと思い込んでいるようで…。
アリソンにとっては渡りに船で始まった同居。しかし、突拍子もない行動のせいで疎まれるマーラの姿にアリソンは自分を重ね、二人の距離は徐々に縮まってゆきます。またマーラは、父親に虐げられ、「自分はダメなんだ」と思い込むアリソンに一番大切なことを教えてくれます。それは「そ
この物語は詩で綴られており、文字は少ないものの、余白や列を飛び出した文字