この記事では、ウクライナ戦争のドキュメンタリー・エッセイを紹介していきます。
ドキュメンタリー
ウクライナ戦争日記
ウクライナ戦争のさなかに綴られた、24人のウクライナ人の日記。
綴り手はウクライナ国内で今なお危険にさらされている人、国外から戦況を見守る人など境遇は様々ですが、誰もが平和を望むごく一般的な人たちです。自分たちの身に起きたこと、あるいは生活への不安や離れて暮らす家族への思い、ロシアへの反発を、それぞれの言葉で吐露しながら、戦争の終わりを強く訴えています。
2022年7月出版。
ズラータ、16歳の日記
ウクライナの普通の女子高生だった16歳のズラータさんが、ロシアの侵略をきっかけに家族とも故郷からも離れ、単身、日本に渡るまでの140日間を文章とイラストで綴ったノンフィクションです。
これからの生活、戦地に家族を残していくことへの不安。さらに、コロナによる数度の渡航中止。困難の連続でありながら、「望みを絶とうとする戦争に、夢を叶えることで立ち向かいたい」と、ズラータさんは日本行きをあきらめませんでした。この本の刊行後、ズラータさんはアニメーションの仕事に就くことを夢見て、日本で美術の勉強をされているそうです。
戦争日記
ウクライナの絵本作家オリガ・グレベンニクさんが、イラストと文章で綴った戦争の記録。 2022年2月当時、グレベンニクさん一家は、大きな被害を受けているウクライナのハルキウに暮らしており、戦争が始まってからは地下室へ避難する生活をしていました。そこに持ち込めた鉛筆とスケッチブックという限られた画材で、この"日記"を描いていたそうです。
爆撃の音を聞きながら「死んでも身元が分かるよう」自分と子どもの腕に名前と電話番号を記したというようなエピソードの数々が綴られ、戦地で暮らす人々の緊迫した状況が伝わってきます。
ある日、戦争がはじまった
ウクライナのハルキウでお祖母さんと暮らしていたイエバさんが、12歳の誕生日を迎えた10日後、ロシアの侵攻が始まります。 戦闘機やミサイルが空を飛び交い、自分の家や町が壊されていく様子を、イエバさんは実際に見聞きしていました。
激しい戦闘の最中で、友だちやクラスメイトは散り散りになり、イエバさんもウクライナを出ることを決意。ボランティアなどの手を借りて、アイルランドへと避難します。
『ある日、戦争がはじまった』は、イエバさんが綴った、侵攻が始まってからの67日間の日記です。戦争がいかに暴力的で意味の無いことか、子どもの目線で語られることで、改めて突き付けられます。
エッセイ
キーウの遠い空
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サーシャ、ウクライナの話を聞かせて
この本の著者は24歳のウクライナ人サーシャさん。伝統、文化、偉人、名所など、56のトピックスにご自身の思い出を交じえながら、日本の人たちに向けて、本来のウクライナの魅力を紹介しています。 日本の美術家・西田孝広さんによる、カラフルで力強いタッチで描かれたウクライナの人や風景の挿絵が美しい本です。