本屋大賞2024 ノミネート作の紹介

 

来たる4月10日。いよいよ、今年の本屋大賞作品が発表されます。今回の記事では、ノミネート作品10冊を一気にご紹介します!

 

 

 

 

黄色い家
 
 
あらすじ

惣菜店に勤める花は、昔の知人・黄美子が、監禁、傷害の罪で逮捕されたという記事をネットで見つける。20年前、ひとつ屋根の下に暮らした女性。あの家で私たちがしたことは…。

 
善悪の境界が曖昧になる、スリリングな犯罪小説
 

読売文学賞、王様のブランチBOOK大賞を受賞したクライム(犯罪)サスペンスです。

安らげる家もなく、一人で生きるすべも知らなかった少女たちが寄り集まり、黄美子という女性とともに始めた奇妙な共同生活。それはやっと手に入れた穏やかな暮らしでした。しかし、まっとうに生きられない彼女たちは次第に追い詰められ、ついに"詐欺"へと手を出し…。
"カネ"に踊らせられる少女の青春、生、転落に、息つく間もなく呑まれるスリリングな作品。

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君が手にするはずだった黄金について
 
 
 

認められたくとも本物になれない人々のてん末

エピローグを含めた6篇で構成される短編集。主人公はどのストーリーも"小説家の小川"という、作者の小川哲さんを彷彿とさせる男性です。彼が出会うのは、青山のインチキ占い師、詐欺に手を出した同級生、デイトナの偽造品を腕に巻いた漫画家など、嘘をまとった人々。彼らは何者になろうとして自分を偽るのか。かくいう僕は、彼らと何の違いがあるのか。 直木賞作家が描く、承認欲求に突き動かされながら"何者にもなれない"人々の物語。

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成瀬は天下を取りにいく
 
 
あらすじ

百貨店に感謝を伝えるため毎日テレビに映り込む、M-1を目指してお笑いコンビ結成、髪の伸びる速さが知りたくて丸刈りにする、ちなみに夢は200歳まで生きること…。ちょっと変わった女の子・成瀬の揺るぎない青春譚。

 

やりたいことを精一杯。ファン続出のスーパーヒロイン

滋賀県大津市を舞台に、マイペースに我が道を進む主人公・成瀬の青春を描くストーリー。
まっすぐひた向きに挑戦を続ける成瀬の姿に惚れ込む人が続出し、「かつてなく最高の主人公」のキャッチコピーで、売上10万部を突破しました。

今年1月には待望の続編『成瀬は信じた道をいく』が刊行されています。"成瀬熱"はまだまだ終わらない。

 

 

 


 

スピノザの診察室
 
あらすじ

妹の忘れ形見である甥と暮らすため、大学病院を離れ、京都の町の小さな病院の内科医として働く哲郎。死の淵に立たされた患者と向き合う毎日の中で、彼は"人の幸せはどこから来るのか"を考え続ける…。

 

人に寄り添おうとする心優しい医師の哲学

2023年10月発売。 1人の医師の、患者や医師仲間を始めとする人々との交流を綴る、現役医師・夏川草介さんによる作品です。

病を抱え、最期へと向かう人たちと、医師としてどう向き合うべきか。悩みながらも真心を持って患者と関わろうとする優しい医師の姿が描かれます。 作者の夏川さんはすでに続編も視野に入れているそうで、シリーズ化も期待ですね。

 

 

 


 

星を編む
 

昨年の本屋大賞受賞作に続く、切なくて新しい愛の物語

2023年11月発売。 2023年の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』の続編にあたる作品。

『汝、星のごとく』は、お互いを想いながらもすれ違い、傷つけ合ってしまう大人の恋愛ストーリーになっており、本屋大賞のみならず、各所で話題を集めました。『星を編む』は前作の登場人物たちの過去や未来にスポットを当てた3編のスピンオフ作品を収録しています。

 

 

 


 

リカバリー・カバヒコ
 
あらすじ

公園に設置されたカバのアニマルライドには、不思議な伝説がある。自分の身体の治したい部分と同じ場所に触れると、回復するのだ。人呼んで、リカバリー・カバヒコ。

 

自分が変われば世界も変わる。背中をそっと押してくれる連作短編集

2023年、9月発売。 青山美智子さんによる、心温まる連作短編集です。青山さんもすっかり本屋大賞の常連になりましたね。

おばあさんのヘルニアまで治したという逸話を持つカバヒコのもとには、子どもから大人まで悩みを抱えた様々な人が訪れます。 成績不振の高校生、体調不良で休職中の女性、母親と和解したい編集者…。カバヒコは直接彼らに手を貸すわけではありません。しかし、カバヒコに触れた人たちはみんな"回復"の糸口が見えてくるのです。これは偶然か、それとも…?

 

 

 


 

レーエンデ国物語
 
あらすじ

"レーエンデ"は呪われた土地。幻の海に足を踏み入れた者は、銀の鱗に覆われ、死を迎えるという。父とともにこの地を訪れたユリアは、レーエンデの宿運に身を投じることになり…。

 

一国を巡る争乱とロマンスを描くファンタジー

2023年6月発売。 テレビで紹介されるなど、刊行当初から話題を読んだ大長編ファンタジーです。
さらに、1巻発売から間を置かず、8月に2巻、10月に3巻と、続編も次々に刊行されました。

忌み嫌われるレーエンデという地を舞台に、ここを取り巻く人々の欲望と争乱を描いた壮大な物語。その反面、登場人物たちの砕けたキャラクターや、ロマンスを交えたストーリーにはライトノベルのような気安さもあり、多くの人を魅了する作品です。

 

 

 


 

存在のすべてを
 
あらすじ

前代未聞の男児誘拐事件。警察は身代金の受け渡しに失敗し、子どもと犯人の行方は知れぬまま、事件は終結したかに思われた。しかしその3年後、男児は自力で家族のもとに帰り着く。空白の3年、男児には何が起きていたのか。30年の時を経て、1人の記者が真相の扉に手をかける…。

 

絵画が語る2人の画家の流転と真実

多くの謎を残したままの誘拐事件から30年。とある新人画家が、事件の被害男児であることを暴露する記事が週刊誌に掲載され、事件は再び白日のもとに晒されます。その内容は、新聞記者・門田に、1人の写実画家と事件の関連を疑わせるものでした。2人の画家の接点を探るうち見えてきたのは、卑劣な誘拐事件とは相反する小さな家族の絆。 2023年9月に発売され、『本の雑誌が選ぶ2023年度ベスト10』で第1位に選ばれた圧巻のミステリー小説。

 

 

 


 

放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件
 
あらすじ

学校のプールに放された色とりどりの金魚。一体誰が、何のために?4年1組ミステリトリオが事件の謎を解く!

 

子どもと楽しめるミステリーシリーズ

2023年6月発売。ミステリ作家の知念実希人さんが子ども向けに書き下ろしたミステリ小説です。本屋大賞に子ども向けの作品がノミネートされるのは初めてのことで、ノミネート作発表時から話題になりました。 運動神経抜群の美鈴、ミステリをこよなく愛する天馬、合気道に長けた陸。それぞれの名前から文字をとり"ミステリトリオ"と呼ばれる3人組が主人公。力を合わせて摩訶不思議な事件の謎を解き明かします!

 

 

 


 

水車小屋のネネ
 
あらすじ

母親とその婚約者の仕打ちに耐えかねていた理佐は、「鳥の世話じゃっかん」が含まれるという風変わりなそば屋の求人を見つける。小学生の妹・律を連れて訪れたその店には、店を営む優しい夫妻と水車、そして陽気なヨウム・ネネがいた…。

 

40年の年月を人から人へと巡っていく優しさの物語

2023年3月発売。谷崎潤一郎賞受賞作です。 知らない町で2人きり、新しい暮らしを築こうとする18才と8才の姉妹。頼る親のない生活は、決して順風満帆とはいきません。そんな2人に初めて出来る友人が、水車小屋で暮らすヨウムのネネです。おしゃべりで音楽好きの陽気なネネは、いつしか姉妹の生活を彩る存在となってゆきます。 ネネと姉妹を中心に助け、助けられながら、人々が重ねていく40年。感謝と愛に溢れる物語です。

 

 

 

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