【書評】「牙 アフリカゾウの密猟組織を追って」

本屋大賞、2019年ノンフィクション本大賞のノミネート作品が発表されました!発表は11月。どの作品が大賞に選ばれるのか注目ですね!この6作品について、当ブログでも随時紹介していきます。

 

牙: アフリカゾウの「密猟組織」を追って

 

 わずか十数年で絶滅を迎えようとするアフリカゾウ。しかしこれには、「仕方のないこと」で済まされない実態があった。銃で撃たれ、生きたままチェーンソーで顔面を削り取られたゾウの死体。その数、一年間で約3万頭。ゾウが今や密猟者たちが一様に欲しがるのは――牙。何のため、これほどまでに人々が象牙を欲しがるのか。ゾウを殺しているのは一体誰なのか?

小学館ノンフィクション大賞を受賞した、アフリカゾウの密猟を追うルポタージュ。

 

個人的おすすめポイント


 

1. 密猟組織の内部にまで迫る渾身のルポ

本書では、ゾウを救おうとする人々だけではなく、密猟者への取材も行っており、牙を巡る市場、現地政府や警察との関係性など実情が明らかにされます。さらに著者は、密猟を取り仕切る中国人の存在にも辿り着き、接触しようとその行方を追いますが……?

 

2.虐殺者の正体は、アフリカ、中国、そして日本へ。

アフリカで行われる密猟ですが、これは現地だけの問題にとどまりません。密猟して得た牙は、巡り巡って私たちの元へ辿り着きます。そう、残念ながら、日本もこの虐殺の一端をになっているのです。牙を獲る者があれば、それを買う者がある。というよりも、牙を買う者があるから、牙を獲る者があるという問題点を、本書では提起しています。アフリカゾウの絶滅は、私たちの小さな心構えで食い止められるのかもしれません。

 

感想


 

 アフリカゾウの絶滅は遠い国の出来事のようにも思えますが、この本を開き、その真相を知った時、問題は急に身近なものになります。日本では印鑑の材料として使われる象牙ですが、その裏では、必ず犠牲になったゾウがいます。本書に掲載されている顔面のえぐり取られたゾウの姿は見るに堪えません。

この本をきっかけにこの事実がどうか多くの人に伝わり、意識を変え、一刻も早く密猟が阻止されることを願ってやみません。

 

 

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