もう迷わない!子どもの本のえらびかた

 

自分で好きに選ぶことができる大人の本と違い、子どもの本は「どんな物語が子どもの心をつかむのか」「子どもはどんなふうに物語を楽しむのか」と様々に研究されていて、児童書研究の書籍も数多く出版されています。

図書館でもこういった研究をふまえて本を揃えたりするのですが、今回の記事では、私が司書向けの児童書講習などで勉強したことをふまえて、難しい研究書を読まずとも、サクッと子どもの本を選べるようになるコツをお伝えしていきます。
たくさんある本を前に「自分の子にはどんな本を選んであげたらいいのかな?」と迷いがちな方の参考になればと思います。 

赤ちゃんの本のえらびかた

本の好き嫌いも「これが読みたい!」という意思もない赤ちゃん。読んであげるにはどんな本がいいでしょうか。

赤ちゃんの本を選ぶとき、頭に入れておきたいのが、

赤ちゃんの目は発達途中。実はあまりよく見えていません。
なので、耳で聞きます。
しかし、言葉も発展途上ですから物語は向きません。
この点を踏まえて選び方のポイントをまとめると、

 

・絵の線や色がはっきりしている
・音を楽しめる


 細部まで丁寧に描いてあるより、たとえば1ページにドーンとおにぎりが描いてあって、「はい!これがおにぎり!」というような、分かりやすくてシンプルな本が良いです。 おしゃぶりやミルクなど、赤ちゃんの身近にあるものが描かれているのもオススメ。

「音を楽しむ」というのは、「ガシャーン」「ポツポツ」「にゃーにゃー」など、オノマトペ(擬音語、擬態語)を使ったもの。

言葉は悪いですが中身がないので大人には面白みが分かりづらいんですよね。ただ、ストーリーがないので一冊まるまるを読まなくても大丈夫。
赤ちゃんがびっくりしないくらいの強弱をつけたりすると読むのも結構面白いので、ぜひ楽しく読み聞かせしてあげてくださいね!

 

人気の赤ちゃん絵本 

 

 

 

絵本のえらびかた


3才くらいになると、だんだんストーリー性のあるものも分かってきます。
絵本えらびのポイントは、

 

・絵だけで物語が分かる
・行ったら帰ってくる
・起承転結がはっきりしている
・ハッピーエンド


 
文章はひとまず置いておいて、絵本を開いたら、まずは絵だけを見てお話を想像してみて下さい。そのあとで文章を読んでみる。
どうでしょう?想像したお話と文章が、なんとなくでも一致していましたか?

大人の私たちはついついストーリーに目が行ってしまいがちですが、子どもたちは、絵に助けてもらいながらお話を読みます。さらに言うと、いっそ文字が読めなくても、絵を見ながらお話を想像して楽しめちゃう。なので絵本を選ぶときは、絵を大事に見てみてください。

もうひとつ、絵に助けてもらうという点についてお話しておくと、

まさかこんな本は無いとは思いますが、「さんぽにいきました」という文章にベッドでぐっすり眠っている絵が添えてあったとしたら、子どもたちもびっくりしますよね。

逆に「さんぽにいきました」と、文章は一言だけでも、すべり台やブランコの絵が描いてあったら「公園に行ったんだな」と分かります。

こんなふうに絵が文章の補助的な役割をしているとベスト。絵本の絵と文章は、実は一心同体なのです。

ストーリーについては、子どもたちは主人公と自分を重ねてお話を楽しみます。だから、冒険に出かけた主人公を見て自分も冒険に出かけたようなワクワクを味わい、主人公が帰ってくる場面で自分もおうちに帰ってきたような安心を感じるのだそうです。
結末はもちろんハッピーエンドで!

 

人気の定番絵本 

 

物語のえらびかた

 物語は、年齢やどれだけ本を読んできたかという読書経験で、薦める本にも差が出てきます。設定された対象年齢はあくまで目安ですので、お子さんと相談しながらでも、読めそう、興味がありそう(猫を飼っているから猫が出てくる本、主人公と名前が一緒、この前恐竜博に行ったから恐竜の本、などなど!)というのをなんとなく把握しておくと良いと思います。あえて言うなら、難しい本を手にして苦手意識を持ってしまうより、ちょっと幼いくらいの本でも楽しめる方がいいです。

 

・主人公や舞台が、子どもの生活圏とかけ離れすぎていない
・登場人物が多すぎない
・満足のいく結末

 

人気の物語

幼年文学

一人読みにもおすすめです。最初のうちは文章を追うので精一杯なので、一度読み聞かせをしてお話を飲み込ませてから挑戦させてあげると良いですよ。
 

児童文学

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

ここまで「本の選び方のコツ」というテーマでお伝えしてきましたが、まずは深く考えず、自分が子どもの頃に読んだ本を探してみるのも手です。
いわゆる「良書」と呼ばれる本は、何十年と読み継がれてきたロングセラーの本がほとんど。「これ知ってるぞ!」という本を見つけたら、それもまた長い間愛されてきた本のはず。

「小さいときに読んだんだよ」と渡してあげてください。その本がまた子どもたちの子どもたちへ…どんどん繋がっていくのを想像すると、なんだか嬉しい気もちになりますね。

  

おすすめ!参考図書

最後に、ご自分でちゃんと勉強したい方におすすめの2冊。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!
感想・コメントなど頂けると嬉しいです。

 

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