あの世とこの世、束の間の繋がりに涙する小説3選

ツナグ(新潮文庫)いま、会いにゆきます (小学館文庫)小暮写眞館(上) (講談社文庫)

 

 お盆の時期ということで、今回は、あの世とこの世が繋がる、優しくも切ない交わりを描いた作品をご紹介します。

「もう一度、あの人に会えたなら…。」ふとそんなことを思いつめたときに寄り添ってくれる、温かな3冊です。

 


ツナグ


 直木賞受賞作家・辻村深月さんが贈る、感動の連作長編小説。

一生に一度きり、生きた人間と死んだ人間を一晩だけ引き合わせてくれるという使者――ツナグ。「心が風邪をひいた」OL、家のことで問題を抱えた男、嫉妬に苛まれた女子高生、身体を壊した会社員。誰もが死者との再会を望んで”ツナグ”を訪れる。彼らの胸にある想いとは?そして一夜の再会が彼らに残すものとは…。

 

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いま、会いにゆきます


 

 一年前、妻であり母である澪(みお)を亡くし、悲しみを抱えた父と子は寄り添いながらひっそりと暮らしていました。しかし六月の雨の日、父子は記憶を無くしてしまった澪と再び出会うことに。”そっくりな別人だろうか?””それとも、実は生きていた?”父はふと、一年前にした澪との約束を思い出します。

『また雨の季節になったら、きっと戻ってくるから――。』

記憶を無くした澪を交えて、再び一緒に暮らし始める三人は、ぎこちなくも、少しずつ歯車があっていくような日々を過ごします。しかし、次の別れは意外な形でやってきて…。

 


小暮写眞館


小暮写眞館(上) (講談社文庫)

小暮写眞館(上) (講談社文庫)

 
小暮写眞館(下) (講談社文庫)

小暮写眞館(下) (講談社文庫)

 

 

宮部みゆきさんといえば、人間同士が複雑に絡み合ったミステリーをさらりと書きこなし、そうかと思えばファンタジーも手掛ける、幅広いジャンルで活躍するベテラン作家さんですが、「小暮写真館」は温かく、そうかと言って優しさだけにゆだねない雰囲気があります。

「小暮写眞館」は、高校生の英一が家族とともに一風変わった新居へ引越しをする場面から始まります。その家とは、築三十三年、木造二階建て。そして昔の家主が経営していた写真館付き。「どうしてこんな家に…。」と納得のいかない英一ですが、さらには心霊写真が持ち込まれたり、心霊現象を体験するなど落ち着かない日々に。しかし、一つ一つの謎に向き合うとき、英一は思いがけず家族や大切な人の心に触れていくことになり…。

 


まとめ


 

お盆と言うと、みなさんの地域にもそれぞれの行事がありますか?

私の地元では、ご先祖様の名前を書いた紙を船にはり、それに火をつけて川に流す、という送り盆の行事がありました。船は何隻もあって、「あれにおじいちゃんが乗っているんだよ」と祖母に教えられ、その船が他のどれよりも赤々と燃えるのを見て「おじいちゃん元気だなー」と思ったのを覚えています。 

あの世とこの世が、つかの間、寄り添うお盆、ぜひ切なくも温かい物語に浸ってみてくださいね。

 

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