体当たりの人間味が絶品、西 加奈子の物語

 

サラバ! (上) (小学館文庫)

 

2015年、自身の経験をもとにして綴った長編小説『サラバ! 』で直木賞を受賞されました。

今回は、西 加奈子さんの魅力に迫ります。

 

 

西 加奈子さんプロフィール

 

大阪で育ち、著作でも軽快な大阪弁が特徴的な西 加奈子さん。

実は生まれはイラン ・テヘラン。2歳まで過ごされたそうです。その後、大阪に住まいを移しますが、小学校1年生から5年生までは再び日本を離れ、エジプト・カイロへ。それからまた大阪へ戻り、以降は大人になって上京するまで、大阪にいらっしゃたのだとか。

この頃の海外で過ごされた経験が、『サラバ!』など著作に生かされているんですね。

 

 大学卒業後はライターをしながら喫茶店を始めました。喫茶店では「ママ」と呼ばれていたそうですよ。笑

 

「作家になりたい」という思いを持たれたのもこの頃。

仕事の片手間に短編を書き始め、出来上がった「あおい 」を活字にしたいと思ったのがきっかけだったそうです。

 

それから上京し、すぐに「あおい」の出版が決定。その翌年に出した「さくら 」が大ヒット!

作品の映画化や、2015年の直木賞受賞、自著の表紙絵を手掛けるなど美術家としての活動も注目され、2018年には個展を開かれました。

 

分野も広げての活躍、これからも注目ですね!

 

体当たりの人間味が最大の魅力!

 

『この作家は、身ばかりか、その心を削って削って書いている。』

 

というのは、「サラバ!」の帯に作家・角田光代さんが寄せたコメントです。

 

西 加奈子さんの作品の登場人物は、みんな等身大。

卑怯な部分もわがままな部分も持ち合わせています。

ですが、決して「嫌なヤツ」ではないんですよね。

 

それは、登場人物に自分を見るから。

彼らの駄目な部分は、自分に対して「駄目だな~」と思う部分でもあるんです。

だから、不器用で格好悪い登場人物に親しみを感じるし、「なんだか可愛いなあ」とも思えちゃうんですよね。

 

そんな人間味のある嫌らしさって、なかなかさらけ出させないもの。

これが角田光代さんの、「身や心を削っている」という言葉が指すものではないでしょうか。

 

西 加奈子さんおすすめ本3選

 

私が特に好きな西 加奈子さんの本を3冊をご紹介します。

この3冊がハマったら、ぜひ他の本もお試しください!

 

 


きいろいゾウ


 

 

生きものの声が聞こえるツマは、夫で新進作家のムコさんとふたり、九州の海に近い田舎町で仲睦まじく暮らしている。

ツマの世界はいつも騒がしい。

食事をせびりに来る野良犬のカンユ、いつもズボンのチャックを開けっぱなしのアレチさん、好き勝手に庭を歩いていくチャボのカンユ、クールな男の子・大地くん・・・。

そんな、不思議な世界で生きるツマを、ムコさんは優しく見守ってくれる。

 

にぎやかな夏、新しい出会いの秋。

――そして別れの冬。

ムコさんはツマを残し、ひとり東京に行ってしまった。

 

 

【絵本】

本作中に登場する「きいろいゾウ」という物語が絵本に。

こちらも絵と文章を西さんが手がけています。

【映画版】

宮崎あおいさん、向井理さん主演で2013年に映画化。

 


さくら


 

 

主人公・薫の家族は、ある事件をきっかけにばらばらになってしまった。

愛らしかった愛犬のサクラは急激に年老いて、細く美しかった母は見るに堪えないほど太り、父は行方をくらました。
薫は家を出て、妹は内にこもるようになったし、優しかった兄は…。


しかし、三年ぶりの父からの手紙をきっかけに、家族は再び集うことになる。

 

久しぶりの帰省に薫が思いだすのは、幸せだったころの一家の日々。
あのころは僕らに足りないものなんて何もなかったのに――。

 

ひとつの家族の愛と再生の物語。 

 

【2020年映画化決定!】

sakura-movie.jp

 


円卓


 

 

「孤独」に憧れる少女こっこ・小学3年生。

 家族に愛され、何不自由ない生活。

 

でもこっこは特別な存在になりたいのである。

 クラスメイトのものもらいも、不整脈も、吃音も、うらやましい。かっこいい。

私も孤独になって、ひっそり涙を流してみたい!

 

こっこの孤高への憧れは熱を増す一方。

しかしそれは、他人を傷つけることもあり・・・。

 

子どもながらの純粋さを持ったこっこの、成長の物語。

 

 【映画版】

可愛い、憎めないこっこを芦田愛菜ちゃんが熱演!

 

まとめ

 

私が西 加奈子さんの作品を読みたくなるのは、むしゃくしゃした時です。

自分とそっくりの登場人物が傷ついたり壁にぶつかる物語は読むのが苦しい。

 ですが、最後まで読み切り、彼らの成長を見届けると、解放感を感じるんですよね。


体当たりの文章には読者も体当たりでぶつからないといけない。西加奈子さんのお話は、私にとってデトックスなのです。

 

●● このブログを書いたひと ●●


 

chiko-yama.hatenablog.com

 

●● Twitterでは毎日おすすめの本を紹介 ●●


twitter.com

 

最後までお読みいただきありがとうございました!
感想・コメントいただけると嬉しいです。