前回、前々回に引き続き、今回は 小学校高学年の課題図書を紹介していきます!
全学年の課題図書は公式サイトで確認できます。
2023課題図書
ふたりのえびす
高森美由紀
おちゃらけキャラの太一は、"王子"と呼ばれ、女子に人気のある優希と一緒に、祭りでえびす舞をおどることになった。でも2人には、みんなに隠している本当の自分があって…。
青森県八戸市の郷土芸能『八戸えんぶり』の演目のひとつ、"えびす舞"を題材にしたお話。 この本の主人公・太一は自分のキャラを守りたいがため、相方に立候補した優希とともに"えびす舞"に挑戦します。
本心と違う自分を演じることに悩む太一は、練習を重ねる中で、優希にも意外な一面があることを知ります。そして、自分を変えたいとえびす舞に挑んだという優希とぶつかり合うことてで、太一も本当の自分と向き合うことに。
少年たちの成長や友情、あるいは伝統や自分らしさなどテーマに溢れた作品。
5番レーン
ウン・ソホル /ノ・インギョン
水泳部のエースと言われながら、最近はライバルに負け続きのナル。そんな時、転校生のテヤンが水泳部に入部することになり…。
韓国の作家ウン・ソホルさんによる作品。主人公のナルは、自他共に認める水泳部のエース。しかし負けが続き、ライバルの不正を疑うほど心は追い込まれていきます。同じ時、転校生のテヤンが水泳部に入部。ひたむきなテヤンにナルは次第に惹かれ、テヤンの存在が心の支えになります。
恋愛や夢、心の成長といった要素が詰め込まれた青春ストーリー。テヤンを始め、ナルの周りには性格の真っ直ぐな子が多く、さわやかなお話です。水泳は速さの順で泳ぐレーンが決まり、この本のタイトルになっている5番レーンは、2番目の選手のためのレーンなのだそうです。
魔女だったかもしれないわたし
エル・マクニコル
自閉的なみんなと違うアディはクラスで除け者扱い。ある日、自分の住む村で魔女裁判があったことを聞いた彼女は、迫害された女性たちのために慰霊碑を作ることを思いつくが…。
主人公は自閉的な女の子アディ。自分を理解してもらえないことに傷つくアディは、昔、みんなと違うことを理由に魔女と呼ばれ迫害された人たちのことを知り、自分自身と重ねます。「彼女たちと同じ時代に生きていたら、私も魔女と言われたかもしれない」 アディは迫害された女性たちと自分のために行動を起こすことにします。
子ども向けの文章ながら、悪意も包み隠さず描ききった作品。自閉に限らず、自分を偽ること、みんなと違うことに苦しむすべての人たちのためのお話です。
大地をうるおし平和につくした医師
中村哲物語
松島恵利子
読書感想文におすすめの本
だれよりも速く走る 義足の研究
遠藤謙
遠藤謙さんは、ロボットや義足の研究をする義足エンジニアです。 この本は遠藤さんが義足の世界に飛び込んだきっかけから始まり、義足のしくみやスポーツ義足の可能性などを、子どもたちに向けて分かりやすくお話しをされています。
義足は今、ロボット技術などを用いて大きな進化を遂げています。義足をつけたアスリートが健足アスリートを超える。遠藤さんはそんな未来を思い描いて活動をしています。
起業家フェリックスは12歳
アンドリュー・ノリス
ひょんなことから、友だちの描いたイラストカードを販売することにしたフェリックス。初めはお小遣い稼ぎ程度だったのに、瞬く間に大ヒット!フェリックスは仲間を集めてビジネスを本格始動させる!
12歳の男の子が起業するというユニークなお話。信頼出来る仲間を集め、サイトを立ち上げ、資材を調達し、契約書にお給料に税金に…と子ども向けながら立派なビジネスストーリー。
ビジネスの入門書にもなりそうですし、身近なところにビジネスチャンスが転がっているかも、と子どもたちもワクワクしてくれるかもしれません。お金の勉強にも◎。これ、大人にも読んでほしいな~。
最後までお読みいただきありがとうございました!